そこ、行ってました。

でかけた場所を淡々とメモ。

犬を“買いたい”

 昨年11月、徳島県神山町眉山のコンクリート崖で足が竦んで動けなくなり、救助された犬を覚えているだろうか.その犬がこのほど,引き取られたそうだ.犬の引き取りにマスコミ10社というのは正直アフォではないかと思ったけど,まあ、これほどまで世間を騒がせたのだから,その後の結果をちゃんと報道するのは必要と言えば,必要だろう.


 引き取り手には109件の人が名乗り出たらしくそれは何よりなことなのだが,果たして,その中の何人が保健所で1日に殺処分される犬の匹数を知っているというのだろう.いや,彼らだけに問題を押し付けるのは酷だ.今,犬、いや愛玩用動物を自宅にて飼っている人に問う.1年間に保健所で殺処分となる、動物の数は一体幾つか?あなたはご存知だろうか.


 環境省、動物の愛護/管理行政のページの平成18年9月に発行されたパンフレットから引っ張ってくることができるのだが,その数犬と猫だけで年間42万頭。分かりやすく言えばスリナムの人口とほぼ同じである.・・・分かりにくい?そりゃそうか。ただ・・・

こう比べてみると、いかに42万という数の大きさが計り知れるだろう。ブルネイ人を毎年全員虐殺しても足りないのだ。そんな数の犬、猫を俺たちは毎年“処分”している。


 やり方も極めて残虐である。

また、飼い主に捨てられた犬猫などのペット動物を殺処分する場合に用いられることもある。有毒ガスではなく二酸化炭素を用いるケースが多い。動物は充満した二酸化炭素によって酸素不足になり窒息死することになる。これらのガス室は『ドリームボックス』と呼ばれることがある。
出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』"ガス室"より

 何故,Co2を用いるのかという話があるかもしれないが、理由は殺処分用のガスを使うよりもco2が安価であるためである。そりゃ、年間42万頭も殺処分していたら、ガス代だってバカになりませんって・・・ちょっと待て。誰がこんな結末を望んだ!?誰がこうなることを望んだ!?


 もちろん,誰もこんな結果望んじゃいない・・・はずだ。いや、こんな結末を普通は想像できない。誰も,清水章吾を見上げるくーちゃんから,そんな結末を想像したりはしないだろう。でも!!!!!現実にはそれが起こっている。現実を見る必要があるのだ。その結果を知って、しかるべき対応を取る。遺棄しない、面倒を見る、もはや,扶養家族の一員として、愛玩用動物は家族で扶養せねばならない。それは誰もが分かることであろう。


 どこかの国で——確かドイツかオランダかベルギーだったと思うが——赤ちゃんを捨てるボックスというのが導入されるかどうかで、物議を醸し出した。これは、育てられない赤子を病院の前のボックスに入れるとすぐに、その病院が引き取り、保護をする仕組みだった。批難囂囂だったのはもちろんのことであるが,空き地に段ボールを置いてその中にタオルと子犬/子猫数匹を置き、「もらってください」と張り紙をするのと何が変わらないというのだろう。いや,すぐの庇護が期待できない分こちらのほうがもっと残虐だ。なのに,誰もそれを止めようとはしない。たいていの場合、保護をするのは保健所のおじさんだというのに。


 私が犬を欲しがらなかったのは、そんなことを考えていたからかもしれない。幼いときから私は一度も○○を飼いたいと本気で強請ったことはなかった。これは割と珍しいことではないかなと思う。別に,動物が嫌いなわけではない。しかし、いずれは離れることになる。それを分かっていたのかもしれない。また、その空虚さも・・・子供ながらに感じていたのかもしれない。


 愛玩用動物を飼う人を否定するつもりは微塵もない。ただ、一つだけ言えることは、ちゃんと「家族の一員」ってことでね。看取ってあげましょう。誰も、姥捨て山や赤ちゃんを捨てるボックスを容認しないでしょう?それが,どうして人間でないというだけで出来ないんでしょうか。それをいつも心に持ってください。「家族の一員」と本当に言えますか?


 また、犬を飼いたがる人はむしろ犬を「買いたがっている」のかもしれない。血統書にこだわらない、家族の一員がいてほしい,そのためには一生一緒にいてもいい。子供のようにかわいがる。と言う方々,どうぞ、保健所に目を向けてください。捨てられた犬はあなたたちを待っています。ものすごく切実に。少なくとも109−1=108件の方々は犬を飼うという気が本当にあるのでしょうから、どうぞ代わりの可愛い犬を見つけてあげて、一緒に暮らしてあげてください。でなきゃ、応募していないでしょう?Don't you?


 犬や猫を、愛玩用動物を巡る立場は非常に厳しいものがあります。でも、少なくとも、、、今かわいがっている動物を"所有"している方々へ、どうぞ末永くかわいがってあげてください。


 参考URL
 http://www.kamisama-tasukete.com/