そこ、行ってました。

でかけた場所を淡々とメモ。

風の捉え方。

 ある男がこう言った。

 俺はどうやらもうひとつ風になる手段を手に入れたようだ。それはバイクとはあきらかにその性質を異とする。原動力は己の足…


 いや、足だけではない。上体の固定によって生み出された力は足裏に込められ、タイヤは地面を蹴る。そして音もなくロードという台紙に一筋の軌跡を刻み込んでゆくのである。その台紙に残された生き様はビルの谷間を縫い、街道を駆け抜け、やがて峠にまで達するのである。

 
 額に滲む汗は風によって冷やされ、また活力を与えてくれる。タイヤはより一層、地を掻くことを強め、いつしか体の一部になる、俺は時の経過を忘れ、自由な風となる…

 俺も,風を捉えたくなった。そして、風を捉えることができるようになった。彼とは比較にならないスピードだが,俺は俺なりのスピードで風を捉えたい。ふと立ち止まった時に感じられる風、もちろん走りながら感じることになる風。日本の風、それをもっと知るのが良い。日本をもっと知りたいのならば。

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