そこ、行ってました。

でかけた場所を淡々とメモ。

4日目

kyoto1172005-09-05


:40。我が部屋にモーニングコールが入る。
「あと5分となっておりますので準備してください。」
あいよ。寝ぼけまなこながら大慌てで荷物を片付け会計をして出発。とりあえず北上駅に向かう。駅前には地元の人か、2、3人。4:55ぐらいに北上線1番列車の横手行がホームに入ってきたのが分かった。驚いたことに4両編成。長っ!が、後ろは電気がついていなかった。回送らしい。しかし、列車が着たのに改札員がいない。どうすればいいのだ。もし発車したらどうしようと考えていた5:05、駅員が来てようやく入ることが出来た。今日のファーストランナーもキハ100系。乗客は俺とおっさん一人。旅行者なのか地元の人なのか微妙な格好だった。


4両のキハ100はかつて夜行列車も走っていた北上線を走っていく。この列車は快速運転で(と言うかただ乗降がない駅を通過しているだけなんだろうが)藤根、横川目と止まっていく。それにしてもものすごい霧である。前の見通しがほとんど利かない。幻想的といえばそうなのだが危険でもある。横川目からは各駅停車。和賀仙人を越えて一気に山に入ってきた。奥羽山脈を越える。ゆだ錦秋湖あたりもすごい霧。ほっとゆだに到着。早速下車し、駅内温泉施設ほっとゆだを利用しようと考えた。が、
「営業時間は7:00〜21:00となっております」
おい。7:10に乗ろうと思っていたので実質不可能ということが判明。
(ノ∀`)アチャー 
ここで入れないものかと考える。時刻表とにらめっこが続く。ほっとゆだの待合室でそんなことをしていると駅長に「北上行き発車しますよ」と声をかけられる。
「あぁ、大丈夫です。横手方面へ向かうので」
ホームの方を見てみると今しがたまで繋がってきていた回送のうち後ろ2両が切り離され、逆向きに走っていった。なるほど、回送はほっとゆだ発の1番列車になっていたのか。ほっとゆだに残れないなということも分かったが面倒なのでそのまま乗り続けることにした。先ほどの列車に舞い戻る。しばらくしていると発車。ここからは眠らないように注意する。


6:26、今日の目的駅の一つに到着。それが「娘。駅」相野々(あいのの)。交換施設のある立派な駅であった。確信的に下車。とりあえず、ホームで列車が去るのを見送り、駅名札を撮影。先ほどの霧とはうって変わって日が差してきた。暖かい。駅前に出てみる。無人駅ながらなかなかしっかりした駅舎だった。駅にはカラオケが併設されておりここでWオフをやったらどうかなと一瞬考える。駅前のバス停には1時間に1本バスがきておりなかなかの街だということが推察された。俺は「娘。駅」に関してはファーストインプレッションを大切にしたいため予習をせずに来る事にしている。駅前の案内板を見た。「あいのの温泉 1km徒歩15分」の文字が。
キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!
ほっとゆだにはふられたがここまで突き進んできた甲斐があった。次の列車に乗れなくても大曲からこまちに乗ればだいぶ挽回できる。行くことけてーい。


駅前通を東に歩く。近回りが出来そうであったがまずは「娘。駅」を堪能するのが大切だ。
歩き始めてすぐ役場が見え、ここが平鹿郡山内村の中心だということが分かる。坂を上っていく。結構長い。周りには畑なども見えるがここで畑に入ったらまずいだろうなと考えながら尚も歩く。右手に見える川がきれいである。左に折れる分岐点を発見。これ以上まっすぐ歩くと相野々から離れてしまうので左に折れて北上線のガードをくぐり坂を上る。しばらく歩くと小学校を発見。しかもかなり立派な建物だ。「山内小学校」と小学校の前に石に刻まれている。また、ここまで豪華にすることもないだろう。と思うのだが。ぱっと見鉄筋コンクリートの三階建て。・・・失礼ながらこの学校にいったいいくらの小学生がいるのか。規模から推察するにここまででかい学校はいらないのでは?本当は写真を撮りたかったのだけど、不審者だと思われると困るので見合わせ。学校の横を歩いていくとトトロの森と名づけてあった単なる森の中のいかにも切りくずしました的な原っぱを発見。わはは。とうとうトトロか。これも取りたかったのだけれど地元のオサーンがいたので断念。ただし施設としては何が言いたかったのかさっぱり分からない。さらに坂道を登る。きつい。上っていくと先ほど通過した山内小学校の運動場が上から見えた。広い。これも失礼ながら無駄でないかと思ったが。隣に保育園があったのでまたここも不審人物と間違えられないように注意する。


しばらく歩くと「歓迎あいのの温泉」鶴ヶ池荘の馬鹿でかい看板が見えた。なるほど、ここをさらに登ればよいらしい。他に、老人ホームなどもあるそうな。さあ、やっと風呂に入れる。坂を上りきった。後は下る。鶴ヶ池荘が見えてきた。驚いたことに宿泊棟とは別に温泉棟があった。これなら交渉も必要がないだろう。*1喜び勇んで坂を下りていくとそこには赤文字で馬鹿でかく

臨時休業中

の文字が。
え?


近づいても変わるはずはなく見事にこの日は休みだった。入り口のガラス張りに掲示してあった紙を読むと
「改修工事を行っているために以下の日は勝手ながら臨時休業いたします。・・・・・・8月26日〜8月28日・・・・・・」
今日までかよ_| ̄|○


しかし気を取り直して宿泊棟のほうに行ってみた。こちらの客室の風呂を交渉して入れてもらおうと思ったのだ。ところが、
「こちらのお風呂はすべてあちらの温泉棟となっているんですよ。」
結局無理とか・・・orz しかし、それだとこの鶴ヶ池荘に泊まっている人は全員風呂に入れなかったことになるよなあ・・・と、思い、
「ここに泊まっている人は全員風呂に入れていないのですか?」
と聞いてみる。俺も簡単には引き下がらない。
「そうなんですよ」
おい!どんな温泉やねん。


しかし、そうなった以上仕方がない。残念だなと思いつつ鶴ヶ池荘をでてせめてと思い鶴ヶ池荘を写真に撮る。俺が出ごろなアングルを模索していると
ぎゃんぎゃんぎゃん
いきなり後ろから犬にほえられる。実は俺は大が犬の苦手である。じゃなかった、犬が大の苦手である。びっくりして慌てて逃げる。ぱっと後ろを見ると鎖に繋がれた若い秋田犬だった。フットワークが重かった(荷物を持っているからね)のと朝だったのと旅先だったのと油断していたのとで逃げることしか出来なかった。が、いつもならきっちり逃げたあと、石を2〜3投げつけたり、棒切れを持って逆に向かって行ったりするものだが。あの犬にはいつか制裁を加えてやらねばと思う。
待っていろ。必ず打っ殺す!!


反対側の鶴ヶ池の方へ回る。ほう、なかなかきれいな池なのだ。ハスが水辺に生えており花の時期ではないもののきれい。特に水は澱んでいるようでもなく、虫も少なかった。歩いていくとカルガモの親子が水辺にいて、親を先頭に池に泳いでいく姿を見た。その姿がかわいい。池を半周ほどすると相野々駅に戻る道が現れた。時計を見て次の列車までに何とか間に合いそうな時間だなと考える。相野々にこれ以上滞在しても何もなさそうなので残りは次回の探訪に取っておくか(あいのの温泉につかる必要がある)と考え、駅に戻る。駅までは急な下り道。軽快に歩いていく。少ししんどい。列車に間に合わなさそうだったので少し速歩き。


駅に着くとなんと列車の発車時刻を間違っていた。10分余裕があることに気づく。特に遠くにいける時間でもないのでそのへんをぶーらぶーら。先ほどの山内小学校の生徒であろう子に「おはようございます」と言われる。俺は少し面食らいながらも「おはようございます」を挨拶を返した。なかなか気持ちのいい街なのだ。ホームに立つ。最後にもう一度相野々の名札をスナップ。横手行きの到着。列車に乗り込む。なかなかいい街だったぞ。今度は絶対風呂に入ってやるからな。


旅は続く。列車が横手に到着。ちょうど2日前に降りた駅である。前は深夜のことだったから全くあたりはよく分からなかったが今度は朝である。下車。銭湯の類でもあればと思ったがそのような気配はない。とりあえず駅前を一回り。さすがにステーションホテルの風呂に入れてもらうわけにはいかない。かまくらミュージアムなど今度見学してみたいなと思う。横手バスステーションがある。このあと行く大曲行などのバスがあったが電車もあるので見合わせ。青春18きっぷは生かせるところでは生かさねば。駅に戻る。次の奥羽本線秋田行に乗車。1日置いて舞い戻ってきた感じだ。


701系の軽快な走りをしばし堪能。後三年駅と、いかにも歴史ロマンを感じさせる駅を通ったときに右手に温泉施設があるというような看板を発見。ただ、どうも車で行くようなところであるのだろう。見合わせ。大曲に到着。今回はがらんとしていた。まあ、花火大会のときと比較するものではないか。すぐ接続のこまち8号があったので繋ぐ。1050円の出費ながら、これに乗らないと次に繋がらない。こまちはさすがの新幹線の走りっぷり。速いのはもちろんのこと何といっても静かだ。車内でトランベールを読んでいると、あっという間に角館に到着。今日の二つ目のポイント駅である。下車。


次に繋ぐ予定の秋田内陸縦貫鉄道急行もりよし2号の発車までおよそ3時間ほどある。角館は一度観光してみたかった街でみちのくの小京都というぐらいだからその風情を堪能したかった。私が昔書いて挫折した小説の主人公の一人が角館出身であったからどんな街かも見ておきたかった。とりあえず、こういうときはレンタサイクルを借りるのがよい。駅前には二軒自転車屋があったが片方は店主がいなかった。もう片方も店主がいなかったものの、「勝手に乗っていってください」という紙がはってあったので2,3度自分に確認しとりあえず、手じかにあった自転車に乗った。ちなみに3時間900円也。観光地価格である。


乗ってからしまったということに気づいた。ブレーキの利きが悪いのとハンドルががたがたなのである。今から思えば変えればよかったのだが当時はそこまで知恵が回らず、まあそれほど長い距離を走るわけでもないしいいかと考えそのままにする。途中で角館郵便局を発見。1000円を貯金し通帳にはんこを押してもらう。いい記念になった。とりあえず、武家屋敷があるらしい方へ自転車を走らせる。街並みというか街の作り方が歴史を重んじているなと思う。積極的に古い建物を模してみたり、木を使ったりしている。京都は最近鉄筋コンクリートの摩天楼が無秩序にどんどん建ちだしたから、角館のような街並みを作ることも考えたらどうだ。最も、発展の度合いが違うが。


武家屋敷の街道を一度ゆっくりの自転車で漕いで見た。さて、手近なところに自転車を置いて見学して回るかと考えたときに角館市役所前に着いた。そこで街のマップを見ると「角館温泉9km先(NOT早貴・紗紀)」と書いてあるではないか。おうぅ!!ついにきました。温泉。ちゃりで9kmなどわけない。往復して軽く観光するぐらいのおつりは帰ってくるだろうと思い角館温泉へとちゃりを飛ばす。桧木内川をかるーく越え、地図上、指ししめられた方向へ自転車をこぐ。しかし、さすがポンコツ自転車。まるでスピードが上がらない。おまけにかご(NOT加護)が壊れているために荷物を入れることが出来ずすべてを肩にかけているために肩が痛くなってきた。一昨日から背負っているやまとしずくが結構なウエイトを占めていた。行けども行けども全く兆候も見当たらない。そのうちに山道になった。軽い山道を過ぎ、盆地のようなところを過ぎる。
「行くんじゃなかったなあ・・・」と後悔する。あきらめようかなと考える。秋田内陸縦貫にある温泉駅に行けばよかった。などとも考える。ようやくあと1kmの看板が見えた。あと少し。ラストスパートをかける。おりゃ!ついにちゃりの座席が下がりだした。サドルが俺の負荷に耐えられなくなったらしい。


どうにか角館温泉、花葉館に到着。疲れた〜ふらふらの状態。入浴料400円を払って中に入る。まずは体を洗い(NOT荒井紗紀)体を清めて後、風呂に入る。はああ。やっとリラックスできた。心なしか肩の痛みもほぐれていくような感じだ。もう出たくない。しかし、出ないわけには行かない。真面目にちゃりを捨ててシャトルバスで帰ろうかと考える。しかし、ちゃり屋で電話番号まできっちり書いてきてしまった。しゃーない。風呂上りにコーヒー牛乳を飲む。これがないと帰りの道でのたれ死ぬ。間違いない。よくよく考えれば朝飯を食うのを忘れていたのだ。しかし、時間がない。もう一度ポンコツちゃりに跨りまた9kmのも道のりを帰る。しかし帰りはそれほどきつくなかった。先ほど全くスピードが上がらなかったのは道がじわじわ上っていたからなのだった。その道を引き返すわけなのだから帰りは見事にずっと続く下り坂なのだった。爽快に下り、行きにかかった時間の2分の1ほどで済む。再び角館の中心に戻ってきた。なんとか、観光できそうな時間も出来、大きな家の一つである西宮家に入る。しかし、中の母屋などを見るうちにたちまちタイムアップ。駅へ引き返す。また今後の課題が増えてしまった。

続く

*1:普通の旅館だと立ち寄り湯を浴びるにはやはり交渉が必要である。