そこ、行ってました。

でかけた場所を淡々とメモ。

同業他社との区別とは

 「弊社の志望理由をお聞かせください」


 「別に。」


 もう、ブームからは外れてますか?そうですか。しかし言わずにおれません今日この頃。明確な違いは分かりませんよ。それでも、通る人は通るし、落ちる人は落ちる。寡占が進んでいるという専らの話ですが、そりゃ、A社で欲しい人材は大多数の確率でB社も欲しいですよ。そんなもの。今では、一人当たり50は受けるという話ですからね。それだけ、受かる奴も受ける。だから被る確率も増える。残念ながらそのようです。そう言う話をしたいんじゃない。


 ここ最近、色々と気に触る話があったのでまとめてご紹介。昨日はN社の説明会が面白いのかどうか、何とも微妙な判別をして帰る。面白いことは面白いので、進みたい気持ちはあるが。その後渋谷に行って、かねてから見たかった「earth」を見る。迫力満点で、凄みを与えた映画だったのだけれど、最後に啓蒙臭いこと言ったことが心底残念。それは、言わないでも分かる人は分かるし、分からない人はまあいるかもしれないが、それでもいらなかった。素直な地球の素晴らしさをぶち壊しにされた感じがする。


 続いて、今日セミナーに2件行ってきて、そのうちの1つの企業で社長さんの話を聞いて来た。でも、途中で寝てた。まあ、僕は教授の授業でも寝てたりするから、それはさしたるつまらなさを表しているわけではない。最後にこれからの人にあてて言われたことで、いきなり英語力と言われたときは愕然としたね。まあ、これは俺の実力不足なのだからがんばらなきゃならないのは確か。しかし、その後、「文化を理解しなきゃならない」と言われたときは、「でも、英語力とは結びつかない気が……」と気になったとはナイショ。まあ、俺のひがみ、90%、自慢10%で。


 問題はその後で、日本の大学生が一番勉強していない、のと時間を有効活用しなければならない、と繰り返し言われたこと。ちょっと気になったね。まず、勉強というのは何を指しての勉強なんだろうか、カントやヘーゲルを読むことか、英語力を磨くことか、ITの知識を貯えるをすることか。僕自身は、どんな経験もそれが後に生きれば、それは勉強だった、といえると思う。それに、無駄な時間なんてない。どれだけ回り道した経験も後になって生きてくる。それは無駄ではない。もし、その経験が次に生きなかったとするならば、それは無駄と言えるが、彼はその後時間は積み重なるものとも言った。つまり、無駄な時間は自分の積み重なりに使われないものとするならば、そんなものはないと、こちらからも言えるのだ。


 こうも時間をとらえるのは、最近エンデの「モモ」を読んでいるから。時間泥棒に奪われた時間を取り返すという話だけれど、現代を風刺しているようで、本当に怖かった。現代は本当に時間を節約しているようで、限りなく損していると思う。時間が無いように感じて、焦る。それでいつもせかせかする。余裕が無くなる。それで、余計に時間を溜めたいと思うようになる。余計に時間が無いように感じる。これの繰り返し。ものを欲しがるメカニズムも、生み出すことができなくなってしまった我々は、他のものを消費することしかできなくなって、その消費をしつくすとまた別のものを消費せざるを得なくなる。これの繰り返しだと。


 時間をすべて積み重ねということが分かっているのに、どうして無駄な時間などと言うのだろう。それは積み重ねならないからだ、というかもしれない。もし、そういう時間は積み重ねの層がスカスカだから、と仮定してみる。なるほど、確かにそれはスカスカかもしれない。しかし、「ドーナツの穴を気にする者は悲観主義者と言う」という言い方があるが*1、そのスカスカ部分に気を取られ、全体を見ることを忘れてしまっているのではないだろうか。


 僕の仮定である、無駄な時間がない、と言う考え方をすると、この抜かれた部分は別の場所で必ず立っているはずである。それが円熟な人間の土台となる。いきなり3Fを欲しがった男という佛教の逸話がある。3階を欲しがった男が、土台はいらん、3階をすぐに作れといった結果、建った建物はぐらぐらとすぐに倒れてしまったという話。僕は、この一列だけを伸ばそうという彼の考え方は、まさしくぐらぐらと倒れる建物になるのではないかと思う。ずっとがっちりしていれば良いという話もあるが、下からまっすぐがっちり立っている建物は、上がしなやかになるものに比べて耐震強度が遥かに低いというのは、建材界の常識である。


 とまあ、無駄な時間、勉強論がこれほどまで白熱するとは思わなんだ。でも、俺はそんな時間、ないと思っています。時間の有効活用、ではなくてどんな時間も、極端な話一見無駄に思えること程有効に使われている時間はないのかもしれません。


 結論として、この社長、今まで3人の方とお会いした中で、最もつまらなかった。


 最後に、ちょっと前にメイルでES送った企業から落ちたメイルが届いてた。まあ、これはいい。しかし、かつて落ちたと分かった企業から、ES通過後の説明会のメイルが届いたのにはちょっとむかっときた。一瞬、受かったのか?と思ったけどやっぱり落ちてる。そんなに俺を辱めたいのか。

*1:ある有名私立中学の入試問題で出たのだが、外国の諺だろうか、知っている方情報をください