そこ、行ってました。

でかけた場所を淡々とメモ。

第29回名古屋国際女子マラソン

空前の好メンバー

 確かに、ここまでビッグネームが揃った大会は珍しい。最初からこの大会を狙っていた選手と、結果的にこの大会になってしまった選手と2パターンあるが、それにしても北京への最終便を賭けた戦いに熱いバトルが期待できそうである。そんな北京に一番近い選手を上げることが、この記事の使命であるが、正直なところ今回は難しい。これはという選手がおらず、それだけ全体のレベルが高いことが上げられるだろう。


 先にタイムのことに触れておくと、少なくとも2時間25分を切るレース展開へと持ち込んで欲しい。おそらく、25分台なら北京に選ばれる確率はかなり高いが、ぜひともそれを越える好記録を叩きだして、大手を振って北京に出場してもらいたいところである。前半は牽制になるというのが専らの見立てで、それは可能性としてあるが牽制するにしても、かなり速いタイムでの流れを作らねばならないだろう。(前半は5kmを16分で行くぐらいの速いペース)

国内招待選手

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 ここからは選手ごとに、実績、会見、特性などから、可能性を探ってみる。始めに断っておくと、初期の段階では優勝するのは大崎千聖(三井住友海上)だと明言してきた。しかし、知ってのとおり彼女は今回は欠場する。これでより戦国マラソンに近づいた感がある。

  • 高橋 尚子(TAKAHASHI/Naoko 千葉/ファイテン 2°19´46"('01ベルリン1位))

 久々のレースである。名古屋は過去2回優勝したゲンの良いレースで、大会記録を持っているのも高橋である。8年前はここを足がかりにしてシドニーを制覇した。2年ぶりのレースとあって、かなり仕上げて来ている様子。今年のレースの中心になるのは間違いない。

  • 坂本 直子(SAKAMOTO/Naoko 岡山/天満屋 2°21´51"('03大阪3位))

 アテネ7位。大阪に出場予定だったが、調整できずここへ。高橋同様ステップレースや駅伝をこなさずにここで合わせてきた。その分、ここに合わせてこられた模様。名古屋は初出場。花粉症という不安要素がある

  • 弘山 晴美(HIROYAMA/Harumi 東京/資生堂 2°22´56"('00大阪2位))

 一昨年の覇者。大会最年長。ステップレースは実業団駅伝、丸亀ハーフ(3位)と踏んできている。元々トラックでも好タイムを持っているので、終盤までもつれると強い。昆明では良い練習が積めたとのこと。自然と最終目標としてのオリンピックがある感じ。

 2003年の覇者。東海銀行時代から愛知を拠点に活躍しており、この大会にも何度も出場しているコース巧者。練習はかなり良いものを積めた。転倒癖があるのが不運だが、そこで余裕が出れば。

  • 原 裕美子(HARA/Yumiko 京都/京セラ 2°23´48"('07大阪1位))

 2005年覇者。大阪を目指していたが、間に合わず名古屋に変更してきた。タイムもさることながら、粘りが信条で、ことマラソンに関しては体調の如何に関わらず、きっちりと走ってくる。

  • 加納 由理(KANO/Yuri 東京/セカンドウィンドAC 2°24´43"('07大阪3位))

 大阪では20km手前で棄権。まさかの出場だが、その分想いは強い。タイプ的に見て、大阪のレースは合わなかった。今回も牽制しあいになると大阪の再来になってしまうので、前でレースを作るのではないか。

  • 堀江 知佳(HORIE/Chika 千葉/アルゼアスリートクラブ 2°26´11"('02北海道1位))

 一昨年3位。小出監督の指導を受け、急激に力を伸ばしてきた。あるいはという感じ。

  • 嶋原 清子(SHIMAHARA/Kiyoko 東京/セカンドウィンドAC 2°26´14"('05北海道2位))

 スピードより、粘りの選手。酷暑レースのアジア大会や大阪世界選手権では良い記録を残している。タイムレースの今回は少し厳しいかもしれないが、終盤までついていって、という展開になろう。

  • 中村 友梨香(NAKAMURA/Yurika 岡山/天満屋)

 初マラソン。注目の選手。暮れの実業団駅伝では10km区間日本人トップ。都道府県対抗では1区区間賞。このところスピードに磨きがかかっている。マラソンを走りきるだけのスタミナは未知数だが、かなり練習はよく積めたとのこと。

一般出場選手

 2004/2005年ともに2位。特に2004は独走しながらも、最後に土佐にかわされるという悔しいレース。持ちタイムは原並みで、一般に回りながらも実力は高い。速いタイムで走れる調整をしてきた。

  • 吉田 香織(YOSHIDA/Kaori 東京/セカンドウィンドAC)

 SWACから3人目。加納、嶋原に引っ張られてあるいは。本人、SWACのBLOGで記事を書いており、体調の良さをのぞかせている。

 その他、注目選手。

  • 西尾 麻耶 福岡 九電工 29 2°33´15" マラソン
  • 若松 育美 三重 デンソー 33 1°11´55" ハーフ
  • 八木 洋子 静岡 スズキ 27 1°12´41" ハーフ
  • 尾崎 好美 東京 第一生命 26 32´13"95 10000m

これをすべて合わせての予想。

 中心に高橋が来るのは間違いない。高橋を中心として、レースが動く模様。今日は暑さとの戦いという話もあるので、そうなると酷暑に強い高橋、原、嶋原、堀江あたりが中盤以降、元気になってくるかもしれない。また、スピードで行くならば、やはり高橋を中心として、坂本、大南、中村、といった速いランナーがくるであろう。大方では、最初がやや自重気味に入るのではないか、ということだが、そうなるとベテラン勢がきっちりタイミングを合わせてスパートしていくことだろう。高橋を本命に据えても良いのだが、あえての変化に期待するのであれば、坂本、大南に加えて大島あたりが注目される。中村、堀江など経験の浅い選手はどこまでついていけるかが勝負となる。